特定非営利活動法人 オペラ彩

オペラ「ナブッコ」制作にあたって

　オペラ「ナブッコ」は、今なおイタリアで絶大な人気を誇るオペラ合唱の名曲「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」で知られるヴェルディの出世作です。若くして二人の子と妻を亡くし、天涯孤独となったヴェルディが、旧約聖書によるテミストークレ・ソレーラの台本に触発されて、「ナブッコ」を一気に書き上げたと言われています。当時のヴェルディは極貧生活にあって新聞を読むこともほとんどなく、政治への関心は薄かったとされています。では、何故、「ナブッコ」がミラノの全人口に匹敵する20万人の観客を動員するまでに至ったのでしょうか。それは、芸術と時代の邂逅によって民衆の間に期せずして起こったリソルジメント（近代イタリア統一運動）だったのではないでしょうか。
　共にイズマエーレに思いを寄せるアビガイッレとフェネーナ。出自の違いが二人の運命を変えてしまいます。初演のアビガイッレを歌い、「ナブッコ」成功の原動力になったストレッポーニ、死してなおヴェルディを支えたとされる糟糠の妻マルゲリータ。ナブッコを巡る人間模様が心を打ちます。

ヴィート・クレメンテ 指揮者

　バーリ国立音楽院「ニコロ・ピッチンニ」指揮科、歌曲科、ピアノ科、吹奏楽編曲科、合唱指揮科、合唱音楽科を優秀（満点）で修了。さらにキジアーナ音楽院にて研鑽を積む。ヨーロッパ共同体のフランコ･カプアーナ国際指揮者コンクールで第1位を獲得。オペラ彩公演ドニゼッティ作曲｢マリア・ストゥアルダ｣を指揮、その年の最高の演奏をした作品に与えられるとされる三菱UFJ信託音楽賞を受賞。ボローニャ市立歌劇場管弦楽団、トスカーナ・フィルハーモニー管弦楽団、ヴェローナ野外劇場管弦楽団、ロシア交響楽団他、日本では新国立歌劇場、東京文化会館など各地の主要劇場にて客演指揮をし、好評を博す。
　オペラ彩では「マリア・ストゥアルダ」「マクベス」「ラ・ボエーム」「トゥーランドット」「トスカ」に続いて六作目の出演となる。

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オペラ「Nabucodonosor」

指　揮	ヴィート・クレメンテ
演　出	直井　研二
プロデューサー	和田タカ子

キャスト	12月21日(土）	12月22日(日）
ナブッコ	須藤　慎吾	原田　勇雅
イズマエーレ	村上　敏明	大澤　一彰
ザッカリーア	飯田　裕之	佐藤　泰弘
アビガイッレ	小林　厚子	石上　朋美
フェネーナ	巖淵　真理	杣友　惠子
ベルの大祭司	党　　主税	福井　克明
アブダッロ	布施　雅也	パク･ドンイル
アンナ	永安　淑美	本松　三和